病院完結ではない、地域での活動と参加に目を向けたリハビリ
2006年に青洲会グループに新卒で入職。2年目に長崎県平戸市にある青洲会病院へ異動して僻地医療を経験。福岡青洲会病院に戻ってから循環器病棟・回復期リハビリテーション病棟を経験した後、2013年に福岡青洲会病院で短時間通所リハビリを立ち上げ、2018年には青洲会グループ初の福岡市内での通所リハビリの立ち上げを任されます。その後も博多堤病院の回復期リハビリテーション病棟・通所リハビリの立ち上げ。2022年百年橋リハビリテーション病院 リハビリテーション課 課長として現在に至る。
▼目次
・セラピスト人生で学んだ大切なこと
・新病院で経験できること
・就職を検討中の方へ
セラピスト人生で学んだ大切なこと
― 病院の中からは分からない外の世界
理学療法士として働き始めて2年目のときに長崎県平戸市の青洲会病院に異動をしました。そこでの経験が印象に残っています。行って最初に目の当たりにしたのは、「こんな田舎の漁師町で、近くに買い物に行く場所がないようなところで、どうやって生活してるんだ?」という生活の現実でした。ALSや筋ジストロフィーなどの難病の患者さんも多く、一人では家から出られないような方がたくさんいました。一方で一番近くの訪問看護師でも、片道1時間以上かかるようなところに住んでおられる。そのような場所でも、この人たちはこの人たちらしく生活しているんだと衝撃を受けました。
そこで私が学んだことは、「病院だけでは完結しない」ということです。例えば、病院からの訪問リハビリは、片道1時間半くらいかけて週1~2回しか伺えません。そのような状況下で、自宅に帰った後の患者さんと、どのようにして関わり続けていくことができるのか?そこでは、病院の職員以外の訪問看護師さんや地域の人たちが関わって、この人たちを支えていました。近くに病院や介護施設がないから、近所の人が安否確認の役割を担っていたり、買い物に行けないお家には移動販売車がやってきて、その人たちが何気なく家の中の様子を見て、足りないものを教えてあげたり。医療・介護分野の人たちだけではなく、地域の方々を巻き込みながら生活を支えていく「互助」の世界を知ることができました。病院の中にいたら絶対に知ることができない世界を、2年目で知ることができたのは、すごく貴重な経験でした。
― コミュニティに飛び込む力
地域の方との繋がりの大切さを学ぶと同時に、私自身は「人との繋がりを、一から作り上げる力」を身につけることができました。
福岡から長崎に引っ越したばかりで何もすることがなかった時に、寮の近くの公民館で漁師の方達が宴会をされていました。まだ赴任して2週間くらいでしたが、すごく楽しそうだったので、「青洲会病院の理学療法士として、こちらに引っ越してきました!」と言って突撃してみたら、快く仲間に入れていただくことができました(笑)。それからは、そこで知り合った方たちのお家に順番にお呼ばれして、地域の方とのネットワークを作ることができました。1年で福岡に戻ることにはなったのですが、今でも年賀状やお歳暮のやりとりが続いていて、私の結婚式の時にはお祝いムービーを送ってくれました。
「コミュニティに飛び込む力」「人との繋がりを、一から作り上げていく力」は、その後の青洲会での新規事業所の立ち上げ時に、すごく活かされている経験だと思います。
― 活動と参加に焦点を当てたリハビリテーション
僻地医療の経験をした後に、福岡青洲会病院に戻って、ICUや心臓リハビリに従事し、心臓リハビリテーション指導士の資格を取得しました。急性期病院なので、心臓リハビリをした後の患者さんはご自宅に帰られるのですが、塩分制限が守れなくて、また入院されるといったケースが多くありました。そんな現実を目の当たりにして、「お家に帰った後に、きちんと支援ができてないことが問題だ」と考えるようになりました。
そして、私自身は回復期リハビリテーション病棟へ異動し、その後在宅部門に携わることになるのですが、2015年の介護報酬改定で、「活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進」という言葉が厚生労働省から出されました。「リハビリテーションは、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものである」と。それまでの経験を踏まえて、私は「まさに、これだ!」と共感することができました。その時は、通所リハビリ事業所の立ち上げを任されていた時でしたので、私はスタッフと一緒にこの方針を掲げて、みんなで日々勉強会を開いて、チームで取り組んでいきました。
その頑張りが認められて、たまたま私たちのブログを見た全国紙の記者から取材依頼が来て、私たちの通所リハビリでの取り組みを記事にしていただき、また青洲会グループ内での年間功労賞を受賞させていただくことができました。みんなで「こういうリハビリを目指そう!」と決めて、みんなで頑張って、結果がしっかりと評価された時は、やっぱりみんなもすごく喜んでいたし、「仕事って楽しいんだ」という成功体験を得ることができました。
新病院で経験できること
― 地域と関わりつづける経験を積ませてあげたい
理想とするリハビリテーションは、病院完結にならず、かかわり続けることができる体制であると思っています。急性期治療後から日常生活に復帰した後も、患者さんの意欲や気概を見出し、可能な活動や参加につなげて関わり続けることができる、そんなリハビリテーションを提供していきたいと考えています。私が学んできたことの延長にはなりますが、スタッフ全員が「あの患者さん、どうしてるかな?」と退院後も気にかけて、そして支援することができるようにしてあげたいです。その一つの形として商店街との連携など、病院の外の世界とつながる経験ができることを、新しい病院の強みにしたいなと考えています。
― チームワークが最大の魅力
百年橋リハビリテーション病院のオープンに向けて、セラピストの人数は、3年間で5名から30名まで増えました。他の病院でさまざまな経験をしてきたスタッフが仲間として加わりましたが、全員がとても協力的で、素直で、熱心に、仮住まいの博多堤病院での回復期リハビリテーション病棟の立ち上げに向き合ってくれました。新しい百年橋リハビリテーション病院では、このチームワークがもっと発揮できると確信しています。
また、機能的な特徴として、同じリハビリフロアで短時間通所リハビリが営業しており、医療と介護のリハビリを一体に運用できます。医療だけ、介護だけ、ということはなく、すべてのスタッフが医療保険から介護保険でのリハビリテーションを経験でき、連携しやすいことも魅力の一つだと思います。
就職を検討している方へ
― 共に学び、共に創っていきましょう
人材育成については、クリニカルラダーを導入しています。ラダーレベルに応じて役割を見出し、研修内容も立案しています。ワークライフバランスを重視し、個々のレベル・強みに合った役割を見出せるように、目標管理面接を年間3回設定しています。また、福岡青洲会病院・青洲会クリニック・粕屋在宅支援センターを含めた青洲会法人福岡地区全体のリハビリ部門で連携・連動した研修も企画し、入職後の教育・キャリアアップのバックアップは充実しています。
新卒の方も、急性期病院でリハビリを経験された方も、新しい百年橋リハビリテーション病院で新しいリハビリテーションを一緒に創っていきましょう!
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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百年橋リハビリテーション病院では、病院完結ではなく、退院後の患者さんの生活に関わり続ける。そんなリハビリテーションの提供を目指します。チームワーク抜群の新しい病院で、一緒に働いてみませんか?