訪問リハビリで奮闘中。作業療法士の私が在宅分野を希望した理由
2018年4月に新卒で社会医療法人青洲会に入職。福岡青洲会病院の回復期で1年間勤務し、2年目からは百年橋リハビリテーション(旧・博多堤病院)の回復期リハビリテーション病棟で勤務。4年目からは通所と訪問リハビリ兼任として経験を積み、2021年12月から訪問リハビリの専従として勤務。
▼目次
これまでのセラピスト人生
在宅分野での新たな挑戦
ここで働く魅力
これまでのセラピスト人生
― 作業療法士を目指した理由
私は障害福祉分野の仕事に興味を持っていました。その分野で働かれている方々のお話を聞いていく中で作業療法士の方とお話する機会がありました。作業療法士が活躍できる分野は、整形外科やリハビリテーションに代表される『身体障がい領域』、高齢化に伴い需要が高まる『老年期障がい領域』、『精神障がい療育』、『発達障がい領域』と多岐に渡ると教えていただきました。活躍できるフィールドが広く、さまざまな分野で経験を積んでから、将来的に障害福祉分野を希望することもできると知り、作業療法士を目指そうと決意しました。
― 青洲会との出会い「Fish哲学」
就職活動中にいくつか病院見学に行きました。その中でも、青洲会で働くスタッフの方々は明るくて元気な印象で、一番イキイキと働いているように感じました。さらにお話を聞いてみると、青洲会グループでは「Fish哲学」を取り入れていると知りました。「スタッフ自身も楽しむし、患者さんも楽しませる」といった考え方をベースに職員みんなが仕事をしていると聞き、とても魅力に感じて入職を希望しました。
― 私が在宅分野を希望した理由
1年目から3年目までは回復期リハビリテーション病棟で経験を積みました。回復期では、「こんなことができるようになったよ、ありがとう」と良くなって在宅・施設に帰っていかれる患者さんの姿を見ることができ、やりがいを感じていました。一方で、退院してからしばらく経つとまた悪くなって病院に戻って来られる方もいらっしゃいました。
患者さんが在宅・地域に戻ってどんな生活を送っているのか、私は自分の目で見たことがなかった。入院中に退院後の生活を見据えた環境設定でリハビリを行うのですが、振り返ると退院後の生活をリアルにイメージはできていませんでした。
青洲会では急性期から在宅まで幅広くサービスを展開しており、同期の中には1年目に急性期→2年目で回復期と、さまざまな経験・知識を身に付けている同僚もいました。回復期しか経験していなかった自分に焦りを感じ、『もっと経験・知識を広げたい』と考えるようになり、通所や訪問リハビリといった在宅分野での経験を積みたいと、異動を希望しました。
在宅分野での新たな挑戦
― リハビリだけじゃない、病院との違い
これまで経験してきた病院内でのリハビリとの違いとして、『情報収集の重要性・難しさ』を感じています。訪問リハビリの場合、ご家族やご近所の方との繋がり・関係性などご利用者様を取り巻く環境を細やかに把握しておく必要があります。一方で病院の中とは違って、患者さんにとっては生活の場所であり、人間関係やプライベードなことに関わってくると、どうしても立ち入って欲しくないことも出てきます。そこのバランスを見ながら、必要に応じて上手に聞き出していくことが求められます。
例えば生活習慣について、家に帰った開放感から入院中は止めていたお酒やタバコをつい始めてしまう方がいらっしゃいます。食生活では、入院中はカロリー計算がしっかりされたものが出てきますが、在宅ではパンしか食べていないとか。中には「恥ずかしいから」と嘘を言ってしまう方もおられます。
在宅の現場では、訪問看護師や通所リハビリのスタッフ、地域のケアマネージャーと連絡を取り合いながらご利用者様の情報共有を密に行っていくことがとても重要だと実感しています。
― 訪問リハビリで感じるやりがい
今は訪問リハビリの専従が私一人だけなので、訪問の予定を自分で組んだり、院内・外のケアマネージャーと連携を取ったり、慣れないことがまだまだ多く大変です。そんな中でも、ご家族や地域のケアマネージャーを巻き込んだ支援ができた時にはとてもやりがいを感じます。
例えば「入院中はこっちの方がやりやすかったけど、在宅では別のやり方の方が良かった」とか「◯◯の時にこういう動きが難しいみたい」と日々のお困りごとをご家族が教えてくださります。週1~2回の訪問リハビリでは目に見える変化が現れるまでに長い時間がかかってしまいますが、地道にリハビリを続けてできるようになった時には「できるようになったよ!」とご本人だけでなくご家族も一緒にすごく喜ばれます。退院後の生活の場に介入しながら、ご利用者様を取り巻く人たちと喜びを共有できることに、これまでと違ったやりがいを感じています。
― 私が大切にしていること
限られた時間での訪問リハビリではどうしても変化が分かりにくく、中には「またこれか…」とモチベーションが下がってしまうご利用者様がいらっしゃいます。ご本人が前向きに取り組めるように、私は趣味や好きなことにつながる内容をリハビリに取り入れ、ワクワク感を持って楽しく続けられるような工夫を心がけています。
「病気になる前まではこういう趣味があった」そんなお話をご家族から聞き出し、「大好きな趣味をまたできるようになりましょう!」と目標を立て、そこに向かって小さな目標を1つずつクリアしていく。達成感と期待を感じながらリハビリを続けてもらえるように取り組んでいます。
ここで働く魅力
― 活動と参加に焦点を当てたリハビリ
百年橋リハビリテーション病院では、地域での活動に力を入れています。公民館で地域の方向けに行う健康教室やみのしま商店街で開催されるミノシマルシェに参加して治療体験ブースを出店したりと、地域の活動の場に積極的に参加しています。当院を退院された方や通所リハ・訪問リハを卒業された方ともかかわり続けることができます。セラピストにとって、『活動と参加に焦点を当てたリハビリ』を経験できる環境があると思います。
― フラットでアットホームな職場
リハビリテーション課には今年も多くの新人セラピストが入職しました。百年橋リハビリテーション病院は新しくオープンしたばかりなので、前からいるスタッフも新人さんも関係なく、皆がフラットに意見を出し合ってさまざまなことを決めながら進んでいる最中です。『これから一緒に病院を作っていく』そんな経験ができます。
リハビリテーション課に限らず、病院全体がとてもアットホームだと感じています。私が訪問に出かける時にリュックを背負って準備をしていると、職種・部署・年齢関係なくいろんな方が「今から訪問?行ってらっしゃい!」と声をかけてくださいます。「最近どう?元気にしてる?」とフランクに声をかけてくださるのですが、私が顔と名前を覚えていないなんてこともあります(笑)。それくらい誰にでも話しかけやすいフレンドリーでアットホームな雰囲気があります。これは堤病院時代から引き継いでいる当院の魅力だと感じます。
作業療法士の方、セラピストの方で当院に興味がある方には、ぜひ見学して直接雰囲気を感じ取っていただけたら嬉しいです。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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