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私が50歳を過ぎても学び続ける理由

病棟看護師 | 座右の銘「初心忘るべからず」

准看護師の免許を取得後、病院や介護施設で勤務を経験。ある老健施設で看護師として働いていた時に、利用者様の側で懸命にケアを行う若い介護スタッフたちの姿に触れ、多くの刺激を受けたそうです。そして、堤病院に入職後、正看護師の資格取得を目指し、通信制の学校で新たに学ぶことを決意。今年、正看護師試験にも合格されました。50歳を過ぎてからも学び続ける理由や看護観についてお話をうかがいます。

看護師は生涯学習
介護施設での経験
大切にしたい思い
新病院の魅力

看護師は生涯学習

― 50歳を過ぎてからのチャレンジ

35年前に准看護師の免許を取得し、急性期病院や療養型病院、介護施設といったさまざまな分野で経験を積んできました。長く看護師として働いていると、新しいスタッフの教育を行う立場も経験させていただきました。教える立場を経験する中で、自分に足りないことを再認識するきっかけがあり、看護師資格へのステップアップを考えるようになったのですが、子育て・家庭と仕事を両立しながら、さらに勉強する時間がなかなか取れずにいました。ようやく子どもたちも結婚して、私自身の時間ができたタイミングで、2年課程の通信制の学校で学ぶことを決意しました。

「50歳を過ぎた年齢で、そこまで頑張らなくても」と言う友人も言ましたが、「頑張って!」と背中を押してくれる職場の先輩や後輩もいました。実際に学校で学び始めてみると、私と同年代の方もいらっしゃって、とても励みになりました。そして、さまざまな年齢層の仲間と同じ目標に向かって学んでいく2年間は、とても良い経験になりました。

日々求められる医療・看護が変わっていく中で、私自身もまだまだ納得がいく看護ができていないなと考えていました。この年齢になってからでも、学び続けることの大切さを実感しています。そして、博多堤病院では今年3名の准看護師が看護師の資格取得を目指して、私と同様に通信制の学校に通い始めました。やりたいこと、学びたいことがあった時に「遅すぎるということはない」という気持ちでいます

介護施設での経験が活きている

若い介護スタッフたちがひたむきな姿に感銘を受けた

老健施設で准看護師として働いていた時、若い介護スタッフたちと一緒に仕事をする中で、とても刺激をもらいました。私は施設内では看護師として周りを引っ張っていく立場ではあったのですが、利用者様の側でケアを担っていたのは、介護福祉士や介護スタッフがメインでした。私よりも年齢が若いスタッフがほとんどだったのですが、利用者様のことをすごく丁寧に観察をしていて、何か気になることがあったらすぐに看護師である私に報告に来てくれる。車椅子の利用者様たちが一緒に楽しめるレクリエーションを一生懸命に考えて、楽しく過ごせるように工夫をしている姿などを見て、とても感銘を受けました。それまでは急性期の病院で看護師の仕事しかしていなかった私は、若い介護スタッフたちがひたむきに利用者様と向き合う仕事ぶりから多くの刺激をもらい、とても感動したのを覚えています。そこでもらった刺激が、私が50歳を過ぎてから「看護師にステップアップ」するという決心にも影響があったと感じています。

大切にしたい思い

言葉かけ一つにも真心をもって誠実に行動

堤病院は療養型の病院でしたが、博多堤病院そして百年橋リハビリテーション病院へと変わっていく中で、地域包括ケアシステムにおける在宅との橋渡しという役割が私たちには求められます。今まで以上に地域と密着した病院、患者さんやご家族の方々とつながっていくことが求められます。私が日々大切にしていることは、「誠実に行動することで、信頼関係を築く」ということです。

老健施設で勤務していた時に、認知症の利用者様のご家族がおられたのですが、ご家族は“自分の親が認知症である”ということを認めたくはなかった。そのお気持ちをしっかりと分かってあげられていなかった私は、「認知症がありますね」と声をかけてしまい、ご家族がとてもご立腹されたことがありました。真心をもって誠実に対応すれば、「少し物忘れがありますね」といったお伝えの仕方ができたのだと思います。それからは、患者さんやご家族への言葉かけ一つにもすごく気を使うようになりました。

「次も入院するなら、この病院がいいな」「次も入院したら、またあの看護師さんに会えるかな」そう思ってもらえる看護師を目指して、真心をもって誠実に対応をしていきたいと考えています

新病院の魅力

― 学びたいことを応援してくれる環境

若いスタッフが増えると、結婚・妊娠を控えるスタッフも出てきます。これからの新病院を支えていく若いスタッフには、家庭や子育てと両立しながら長く働いてもらいたいので、ベテランの私たちが若いスタッフをカバーして、結婚しても長く働ける状況をつくってあげられたらと考えています。
私は堤病院時代から約13年働いていますが、私よりも長く、20代の頃から堤病院で働いているスタッフも残っています。そこに博多堤病院になってから入職して来た若いスタッフも加わって、とても幅広い年齢層のスタッフがいますが、分け隔てなく、みんなの仲が良いなと感じています。これからも新人看護師が入ってきますが、今の良い雰囲気のまま、新病院のオープンに向けて一丸となって働いていきたいです。

私の座右の銘は、「初心忘るべからず」です。長く働いていると、忙しさに我を見失ってしまうことが皆さんもあると思います。そんな時には私も「看護師になろうと思った最初の思い」を思い返して、気持ちを新たにするようにしています。

博多堤病院は、2022年4月に百年橋リハビリテーション病院へと生まれ変わります。自分自身のやりたいこと、学びたいことを応援してくれる心強い先輩・後輩がいる当院で、一緒に働いてみませんか?少しでもご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)


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